急性低音障害型感音難聴

低音域の音が聞こえにくくなる急性低音障害型感音難聴について説明します。
長い名前で分かりにくいので、「急性・低音障害型・感恩難聴」と区切って読んでみましょう。

急性低音障害型感音難聴の症状と診断

急性低音障害型感音難聴の患者が訴える症状は、耳の閉塞感 (耳が詰まった感じ) が最も多く、続いて「ゴー」「ザー」という低い音の耳鳴りです。
高い音は普通に聞こえるので、難聴としてではなく、上記のような症状として訴えるケースも多いものです。

診断には、聴力検査を行います。
急性低音障害型感音難聴では、老人性難聴とは反対に低い周波数が聞こえにくくなるのが特徴です。
同じような症状では、聴神経の腫瘍も考えられますが、急性低音障害型感音難聴では、CTスキャンやMRIに異常は見られません。

急性低音障害型感音難聴の特徴

急性低音障害型感音難聴は、20~40代の女性に多く、発症する女性と男性の比率は2対1くらいです。

ストレスが引き金といわれ、医師や看護師にも多く見られます。
発症のきっかけは、職場での人間関係や心配事などの精神的なストレスだけでなく、風邪による体調不良や、睡眠不足・慢性疲労などの肉体的なストレスも含まれます。
このような心身の疲れがあると、血管の流れを調節する自律神経が緊張し、血液の循環が悪くなります。
特に内耳の血管は非常に細かいため、ストレスの影響が出やすいのです。

急性低音障害型感音難聴の治療

治療には、まず薬物療法が行われます。
最もよく使われるのが、利尿剤と副腎皮質ホルモンです。
ストレスで非常に疲れていたり睡眠不足の人には、精神安定剤や入眠剤を併用する場合もあります。

薬物治療によって6~7割の人は症状が改善しますが、3~4割の人は同じような症状を繰り返すようになります。
その場合、自分では感じていないストレスを明確にするために、カウンセリングを受けます。
あるいは、自律神経を介して症状が出るため、自律訓練法を行うことがあります。
具体的には、乾布摩擦や軽い運動、水泳などで、自律神経の働きを改善させます。

それでも治らない場合は、病院で自律神経を訓練することがあります。
たとえば、暖かい手足をイメージして、実際に手足の温度を上げるトレーニングをします。
バイオフィードバックという機械を使って、手が暖かいというイメージを作っていると、実際に皮膚の温度が変わってきます。
それを見ながら、自律神経の働きを調整してトレーニングをしていくわけです。

急性低音障害型感音難聴の予防法

発症の引き金となるストレスや疲れを溜めないことが大切です。
しかし、現在社会においては、それは難しいでしょう。
やはり、睡眠を十分にとったり、ストレスを発散できる方法を見つけておきましょう。
軽い運動を続けることも有効です。
体を動かすことで、自律神経は鍛えられます。
たまに運動するのではなく、少しずつ長い間続ける必要があります。