難聴による弊害

難聴になると、どんな弊害が出てくるのかを具体的に考えてみます。
なお、ここで紹介するのは耳がほとんど聞こえない人だけでなく、聞こえが少し悪くなっている人にも当てはまることです。
若い世代にも軽度の難聴を発症しているケースは多くあります。
難聴は老人や聴覚障害者だけの病気と思わず、自分も発症しているかもしれないという意識を持つことが大切です。

人の話を聞かなくなる

管理人が会社員だったころ、同期の社員 (23歳) の中に、いつ話しかけても「え?」と聞き返してくる人がいました。
そのときは「私の声が小さかった」「そういう癖があるのだろう」と軽く考えていましたが、その人は軽度の難聴だったのかもしれません。
この場合はまだ聞き返しているからよいのですが、聞こえの悪さに慣れてくると、人の話を平気で聞き流すようになることもあります

特に自覚のない軽度の難聴の場合は、聞こえないのは相手の声が小さい、話し方が悪いと思い込んでしまうため、「この人の話は面倒だから聞かなくてよい」と勝手に判断してしまう傾向があります。
「最近、人の話が聞けなくなった」と感じる人は、軽度の難聴が始まっているのかもしれません。

仕事をする上で、上司の指示や顧客の要求を軽く聞き流していたらどうなるか。
無自覚な難聴が恐ろしい結果を招くことになりかねません。

聞き間違いが多くなる

相手の言ったことを正しく聞き取らず、見当違いな答え方をして恥ずかしい思いをした経験はないでしょうか。
もちろん、すべての聞き間違いが難聴によるものとは言えません。
相手の発音が悪くて聞き取れないこともあるでしょう。
しかし、聞き間違いが多い人は要注意です。
子音が同じ言葉 (一宮と宇都宮、簡単と混沌など) を頻繁に聞き間違えるようだと、難聴の恐れがあります。

会話のテンポが悪くなる

聞こえが悪い人は、人が言ったことを聞き取るまでに時間がかかります。
正常な聴力であれば、会話をするときに相手の言ったことに対して、即座に返答できるはずです。
一方、難聴の人は相手の言葉を聞き取るのに1秒くらいかかることがあります。
会話における1秒のブランクは致命的です。
相手が難聴だと分かっていれば、すぐに返事をしてくれなくても仕方ないと思ってくれます。
しかし、お互い難聴のことなど夢にも思っていない会話では、自分の言ったことに対して相手がすぐに返事をしてくれなければ、険悪なムードになってしまうでしょう。

このほかにも、相手の言葉がよく聞こえないことに慣れてしまい、顔を乗り出して話をしようとする癖がついてしまうこともあります。
難聴は軽いものであっても、人間関係に大きな弊害をもたらす恐れがあるのです。