耳の聞こえるしくみ

私たちの日常生活の中にはさまざまな音があります。
普段話している人の声、犬や猫などの鳴き声、ピアノやバイオリンの音色、食器などがぶつかり合うときの物音、救急車のサイレン……
必要な音から耳障りな音まで、あらゆる音が耳の中に入ってきます。
このような音を、私たちはどのように聞いているのでしょうか。
耳の構造とともに説明していきましょう。

耳の構造

耳介から鼓膜までを外耳、鼓膜から耳小骨までを中耳、蝸牛から先を内耳と呼びます。

音の伝わり方

音 (空気の振動) は耳介から外耳道を通り、鼓膜まで達します。
鼓膜には耳小骨という細かい骨がついていて、この小さな骨が蝸牛 (かぎゅう) に振動を伝えます。
そして、蝸牛から聴神経を経て脳に伝わり、音が聞こえたように感じるのです。

音の姿

耳介から入った音は、
空気の振動 → 鼓膜の振動 → 骨の振動 → 耳の振動 → 電気信号
というように、さまざまな姿に変化して伝わっていきます。

振動としての音

まず、音は空気の振動として耳介から鼓膜まで達します。
鼓膜では、音は膜の振動に変化します。
次の耳小骨 (ツチ骨キヌタ骨アブミ骨) では骨の振動に変化し、てこの原理 (音圧増強作用) によってさらに増幅され、アブミ骨により蝸牛へと伝わります。
蝸牛の中にはリンパ液が満たされていて、音の振動がリンパ液を流動させ、蝸牛の基底板が振動を起こし、水の振動へと変わります。
もともと私たちの祖先は水中で暮らしていましたが、陸上で生活するようになったとき、音が伝わりにくい空気中でも聞けるようにするため、耳の中に液体を作ったのです。

電気信号としての音

蝸牛のリンパ液の中には有毛細胞があり、これが水の振動によって刺激されると、そこから生えている聴毛が揺れます。
聴毛が揺れると有毛細胞に電気が起こり、この電気信号が聴神経を伝わって、延髄 → 脳幹 → 脳脚 → 大脳皮質に達します。
そこで私たちは初めて音として感じ、言葉や音として認識するのです。

難聴が起こる原因は?

耳の器官は小指の爪ほどしかありませんが、上記のようにそれぞれが重要な役割を果たしていて、とても巧妙に作られています。
この過程のどこかひとつでも音が伝わりにくくなると、聞こえない・聞こえにくいといった難聴となります
具体的には、中耳炎で鼓膜がうまく動かない、有毛細胞が劣化していて電気信号を伝えられないなど、多種多様です。